先日、撮影で歩いていたら「藤田さん!」と呼ぶ声。
声がする方に目を向けてみると、信号待ちの車からマスク越しにもわかるほどの笑顔で手を振る男性が。昨年の秋、結婚式の撮影・プロデュースから担当させてもらったご夫婦の旦那さんでした。どうやら外回りの仕事中で、僕を見かけてくれたそうです。狭い地域だからこういうこともなくはないのですが、偶然っていうのはなんか嬉しくなります。
さっとカメラを構える僕と、さっとマスクを外す彼(笑)。何度も撮影させてもらったおかげで、まさに「阿吽の呼吸」でした。たまたま仕事中にカメラをぶら下げていたことと、お互いの関係性もあっての反射神経の速さ、出会ったのが信号待ちだったこと。いろんなことが重なって撮れたんだろうと思います。嬉しくなって、つい「撮ろう」と思ってすぐに動けた一枚でした。
「すぐに動くこと」
これは写真のことでしたが、これって写真だけの話でもないような気がするんです。例えば、ちらっと視界に入るゴミをすぐに拾ったり、話しかけようかどうか迷ったときに話しかけたり、頼まれたことを先延ばしにせずにやったり。そうして「動く」と何がいいかって、その瞬間から何かがまた動き始めるというか。これがなかなか難しかったりするんですが、最近心がけていることでもあります。それが「いざ」というとき、特に撮影の時なんかには出るんじゃないかと思うからです。
「反射神経を鍛えないとなぁ」と、思っていた矢先。まさに矢先です。偶然って続くんですよね。彼に出会った次の日、今度はコンビニの駐車場で休んでいたところ、彼女と彼女のお母さんと遭遇。さすがに、油断していました・・・。
藤田和俊